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偽文士日碌


 薬局へ行く途中、スーパーに寄る。もと魚屋さんだったので「魚屋
さんのスーパー」と言っている店である。ここで鱈子と鮭を買う。ほ
んとは鱈子よりも明太子が欲しかったのだが、中国産の食品が嫌われ
ていることに関係があるのか、最近はでかいものが入荷しないでバラ
バラに切ったものしかない。このバラバラの明太子は網で焼くことが
できないので忌避することにする。
 薬局ではお姐ちゃんが「CM、格好いいですね」と言ってくれる。
サントリーのなっちゃんのCMに出ているのである。薬剤師さんも女
性で、酸化マグネシウムを一回分ずつ紙包みにするのに時間がかかる
のでお待たせするのは悪いからと言い、半分だけくれる。あとの半分
は十五分後にわが家の郵便受に入れておくとのこと。これは毎度のこ
とであり、恐縮する。
 わが家の近くでも現在ビルの解体工事をやっている。深田恭子と行
った「アーペレーヌ」という中国料理の店があったビルだ。これも中
国資本の地上げか、などと思う。
 帰宅後、サルマン・ラシュディが英国よりサーの称号を授けられた
ことを知る。もっと早くに決っていたのだが、イスラム圏からの猛反
撥があり、先延ばしにされていたのだそうだ。「悪魔の詩」は面白か
った。だが、あまり褒めると日本の翻訳者のように刺殺されて黄色い
砂を撒かれるからやめておく。しかしそれにもかかわらず称号を授け
たというのはイギリス偉い。日本では考えられないことだろうね。 
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