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偽文士日碌

九月十日(水):57-58

は誰にもわかるようにと懸命にやさしく話してくれたので、ずいぶん
盛りあがった。お笑い連中、万能細胞のことは知っていたらしいが、
意味がわからず、どういうことなのか知りたがっていたのである。女
性ゲストの小阪由佳が、培養をバイオと間違えたり、培養の意味がわ
からなかったりするので、教えてやるのにいささか苦労した。
 二回目収録のゲストは写真家の「不肖・宮嶋」「写真界のジョージ
・クルーニィ」こと宮嶋茂樹氏。「美女の向こうに世界が見える」と
いうタイトルだが、実際は報道写真に関する話題。女性ゲストは久し
ぶりの高部あい。
 この回の最後に、おれが新神戸オリエンタル劇場でやる朗読劇の宣
伝をやらされた。このため劇場支配人の山之内氏も来ていて、収録に
立ち会ってくれた。十月五日の日曜日、五時開演の「筒井康隆 朗読
劇」は、新神戸オリエンタル劇場二十周年記念公演で、第一部が二十
年の歴史を振り返るオリジナル・ミュージカルの名曲集というものだ
が、これ、いったいどんなことをやるのかさっぱりわからない。第二
部がおれの朗読で「関節話法」だけを演る。「東京で五月に演ったも
のだが、お笑いの人なら誰でも夢見る、観客全員抱腹絶倒というのが
実現した舞台であり、君たちも見ておいた方がいい」などと喋る。そ
れにしてもS席五千円はいささか高価い。たくさん見に来てくれれば
いいのだが。
 終了七時、帰宅八時。
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