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偽文士日碌

十一月十六日(日):97-98

洒落た料理屋を発見。中へ入ると「くえ鍋」の店で、これは正解であ
った。玄関の写真を見るとさまざまな有名人が食べにきていて、竹下
前総理だの、ダイエーの中内さんだの、ずらりと並んでいる。本来は
予約しなければいけない名店であった。もう二時になっていたので本
くえ定食しかなく、小さな座敷に通される。天然の本くえを使った料
理であり、一人ずつ小鍋に入れて出されたくえは脂がのっていてまこ
とに旨く、ふぐよりうまいなどとも言われているらしい。一緒に出て
きた甘エビとともに、ここでも全員ほとんど平らげてしまう。車で走
っているだけでも腹はへるものらしい。
 さらに車で北上して、昨日おりたところから阪和道に入り、引き返
す。途中、岸和田のドライブインに車を入れ、姉妹は名物の蜜柑入り
パンを買う。
 近畿道、名神を経て京都に着いたのは六時だった。京都駅前で新さ
ん夫婦と別れ、新幹線で新神戸へ。家に帰っても食べるものがないの
で、ここで何か食べておかないといけないのだが、さすがに腹はあま
りへっていず、クラウンプラザ・ホテルの中の馴染の「菊水」に入っ
て寿司を少しつまむ。おれは焼酎、光子は白ワインを飲む。さらに、
深夜空腹になった時の用心にと、主人に頼んで太巻き寿司を作っても
らい、持ち帰ることにする。
 九時前に帰宅。久しぶりの旅が終った。
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