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偽文士日碌

十二月十八日(木):107-108

 朝、九時過ぎ、光子、石垣島へ出発。見送る。
 今ごろ伊丹空港で、新さん、喜美子さんと会っているだろうなあ、
などと思いながらひとりで朝食。鮭、ベーコン、大根おろしなど。
 この間からスピリーバという薬を吸引している。少し坂道を歩くと
息切れするようになり、そのことを山崎医師に訴えるとこの薬を出し
てくれた。カプセルに針で穴をあけ、吸引するというものだが、これ
をやり出してから血圧が下がり、坂道も楽になった。あとはいつもの
薬三種と、アイリッチという白内障予防の薬。歯科の義弟も含め、お
世話になっている耳鼻科、皮膚科その他現代医学の発達がなければ、
おれなんかとうに死んでいるに違いない、などと思う。
 少し仕事をする。ライトノベル「ビアンカ・オーバースタディ」の
続きを二、三枚。これで第四章は五十枚を越えた。「ファウスト」編
集長の太田君は、来年春には次号を出したいと言っている。
 十一時五十五分、光子が全日空で伊丹から飛び立った時間。
「現代語裏辞典」を少し書く。現在「オール讀物」にえんえん連載中
である。ついに全体の十分の九、「む」に到達した。最近の成果を少
しご紹介する。
むしんけい【無神経】勇気の一種。
むぞうさ【無造作】ちんぴらの殺され方。 
むだあし【無駄足】蛇の足。
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