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偽文士日碌

十二月三十一日(水):121-122

見られず、皆困りながらの夕食となった。きっとチャンネル争いでい
さかいや喧嘩になった家もあるのではないか。とんでもない時間にと
んでもないものをやるものだ。二台めのテレビを買わせようという陰
謀かもしれない。
 恒司は箸の持ち方もうまくなって、幼稚園では褒められたそうであ
る。今夜は味噌漬の牛肉だったが、肉が好きなので大人なみに一枚平
らげた。体格もよく、背が高くなりそうである。ただし我がままだけ
は相変わらずであり、困ったもんだ。
 おせちはさっそく、早ばやと一段めを全部食べてしまった。あと、
山下洋輔から届いて冷凍にしておいたターキーをこまかく切り、野菜
と共に芥子のきいたサラダにして食べる。これまた実に結構なもので
ある。
 先日来、焼酎をやめて冷酒にしている。冷やした竹の筒に入れて飲
むのである。今夜は兵庫の白鷹という酒を飲み、そのあとエビスビー
ル。他の皆は、昨夜がボジョレ・ヌーボーだったので、今夜はこれま
た山下洋輔からだいぶ以前に届いた箱入りの高級ワインを頂戴する。
山下さんに感謝、感謝である。
 九時、恒司が寝たあと、大人たちは飲みながらゆっくり話す。おれ
は早いめにベッドに入るが、あとの三人は遅くまで話し込んでいたよ
うだ。
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