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偽文士日碌

三月一日(日):149-150

 朝日新聞朝刊に「今月三十日から新紙面」「読書面 筒井康隆さん
新連載」という予告が出た。これについては説明しておかなくてはな
るまい。実は朝日新聞文化グループと「自主規制に関する覚書」を取
交して、今回の連載となったのである。今まで新聞社とだけは覚書の
取交しができずにいたのだが、断筆の際、例の本田雅和の件をはじめ
いろいろと紆余曲折のあった朝日新聞といちばん先に覚書が交せたこ
とには、実に感慨深いものがある。これで他の新聞社もあとに続いて
くれるのではないかと思いたいし、切に願うことでもある。
 連載というのは「漂流――本から本へ」と題するエッセイで、これ
はわが人生に大きな影響をあたえた本を、自分の成長と重ね合わせな
がら紹介していくという、いわば「読書による履歴書」といった企画
である。この企画を立て、わが担当者となってくれたのが「朝のガス
パール」以来の伴走者、大上朝美であるのも嬉しいことだ。毎日曜日
の読書面第一頁の連載である。ご期待ください。ただ、読んだ順に紹
介していくことになるので、最初はやっぱり田河水泡「のらくろ」に
なっちまうのよなあ。
 似たような企画というのは同時に持ち込まれることが多いのだが、
レギュラー出演しているテレビ東京の「ジャパン・オールスターズ」
が新たに、日本人なら読んでおいた方がいい本をおれが紹介するとい
うコーナーを作りたいと言ってきて、今日はその最初の回の収録であ
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