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偽文士日碌

三月十三日(金):157-158

るのかわからなくなる。この時点で峰尾君はおれの中で落選と決定。
藤田君の乱入に対しては、候補者全員が怒りの眼で藤田君を見始めた
ので、せっかくのパフォーマンスではあったものの、度重なるルール
違反をおれがたしなめて退場願う。
 口頭試問でおれは主に、前回のテーマがみな今回がらりと変ったの
は何故かを質問する。坂上君には前回のパロディというテーマがなぜ
クレオールに変ったのか、ジュネット「パランプセスト」に否定的だ
ったのはなぜかなどを訊ね、さらに「涼宮ハルヒの消失」をメタフィ
クションだと思うかどうかを訊ねていると、苛立った峰尾君が「涼宮
ハルヒ」はすべてメタフィクションだと言い出して説明しはじめ、そ
れは普通メタフィクションとは言わないとおれが言うと会場が爆笑す
る。
 三時間に及ぶプレゼンテーションと口頭試問が終り、審査員が控室
で選考。東浩紀が村上君を、村上、筒井、太田が廣田君を、会場の参
加者が坂上君を選び、村上隆が特別賞に峰尾君を選んで終了。
 疲れた。人の話を聞いているというのは自分が喋るよりも疲れる。
 主立った数十人が近くのダイニング「ラ・ボエム」へ移動し、懇親
会となる。主に坂上君と話したが、そのあと雑賀壱、筑井真奈、齋藤
ミツの女性三人組に囲まれて、何やかやを話す。次つぎと話にやって
くる連中の相手をしているうちに時間が経ち、たちまち十二時。
 太田君が自宅まで送ってくれたが、風速二十メートルの高速をタク
シーで走るのは怖かった。
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