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偽文士日碌

五月十七日(日):175-176

テーブルの並べかたも異り、オープン・キチンから直接運んでくるの
も変っていた。
 料理は今までの披露宴に比べて格段に旨かった。さすがに魚介類が
美味であり、軽い前菜のあと、海の幸のグリルとカポナティーナ、グ
リーンアスパラのスープ、オマール海老と紋甲イカとズッキーニのソ
フリット、一階のイタリア料理店特製のペスカトーレ、カプリ島のリ
モンチェットのソルベット、真鯛とトマトのオーブン焼き、黒毛和牛
フィレ肉のステーキ、そしてデザートと珈琲。おれたち夫婦はペスカ
トーレのパスタを残したが、新さんたちは海鮮丼を食べてきたという
のに凄い食欲であり、全部平らげてしまった。喜美子さんはおれのデ
ザートのクリームブリュレまで食べてしまった。
 友人たちのパフォーマンスでは、彰仁のアイス・ホッケーの仲間四
人の芸達者が裸で大泣きのスピーチのあと、そのまま海岸に出て座り
込み、海を睨み続けるなどの芸にみな大笑い。おれの隣席の友人四人
も、システムエンジニア、宇宙開発、商社マン、建築家と優秀な子ば
かり。新婦の方の川口家は父親が京大出のサラリーマン、女の赤ん坊
を抱いてきた姉が税理士である。
 結局終ったのが六時半を過ぎていて、これならわが家の夕食と同じ
である。荒れ模様ながら外はまだ明るく、大橋のライトアップが見ら
れなかったのは残念であったが、友人たちはそのあと、同じ場所で二
次会をやったらしいから、楽しんだことであったろう。
 帰宅七時。
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