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偽文士日碌

六月九日(火):183-184

 新聞に連載を始めると、一週間経つのが実に早い。「マテオ・ファ
ルコーネ」が載って、もうすぐに次の、手塚治虫「ロスト・ワールド
〈前世紀〉」のゲラが出て、しかも新聞の最終校了は木曜日だから、
直して三日で掲載されるわけであり、なんだかおちおちしていられな
い。「朝のガスパール」の時にはこんなに気ぜわしくもなく、間違い
も少なかったように思うが。 
 と、いうわけで、次のトオマス・マン「ブッデンブロオグ一家」を
入稿したあと、今日はサバチニ「スカラムッシュ」を書き、ウェルズ
「宇宙戦争」の下調べをし、宮沢賢治「風の又三郎」を読み返す。み
な中学生時代に読んだきりだから、忘れている部分が多いのだ。さら
にテレビ東京「ジャパン・オールスターズ」の「日本人ならこれを読
め」で、一昨日は新田次郎「八甲田山死の彷徨」をやったので、次の
横光利一「機械」も読み返し、勉強しておかなければならない。さて
「機械」の次は何をやろうか。やはり井伏鱒二「山椒魚」あたりだろ
うな。プロデューサーからは、もっと現存の作家の現代作品をという
声が出ているのだが、なかなかいいものが思いつかないのである。
「ファウスト」の太田君から、いとうのいぢの描いた、次回「ビアン
カ」の画像を送ってきた。次から登場するビアンカの妹のロッサが、
実に可愛く描けている。ビアンカ以上の人気が出ること間違いなしで
ある。
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