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偽文士日碌

六月二十一日(日):185-186

 この間新潮社の新書担当重役・石井さんが来て、「人間の器量」と
いう新書を書けと言ったのだが、おれが「器量」なんて言うと人が笑
うからと言って断った。石井氏は「バカの壁」「国家の品格」などで
ヒットを飛ばした人で、タイトルを決めたのもみな石井さん。売れる
かどうかはタイトルで決まるという考えの持ち主である。その後、お
れに何が書けるかといろいろ考えたのだが、「アホの壁」という本な
らなんとか書けそうだと思ったものの、書けば確実に文壇から消える
のであり、だから石井さんにも言っていない。
 今日はテレビ東京「ジャパン・オールスターズ」の収録。楽屋へ入
ると、今日のゲストである中川翔子が挨拶に来た。「わあ。しょこた
んだ」と言うとなんだか大喜びをした。あとでプロデューサーから、
おれが「しょこたん」と言ったのを喜んでいたのだと教わった。本番
ではおれの「日本人ならこれを読め」のコーナーで、彼女がおれのフ
ァンであることを話し、おれは彼女がブログの女王であり、彼女以後
ブログの概念が変化したこと、妻と睫毛のエクステが一緒であること
などを話す。今日は横光利一「機械」を取りあげたのだが、感心なこ
とにしょこたんはちゃんと読んできていた。レギュラーになってほし
いものだと思う。
 帰ってからネットを覗くと、しょこたんねっとで早くも今日のこと
を書き込んでいた。大変な早業である。
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