トップへ戻る

偽文士日碌

十月八日(木):231-232

 昨日は雨の中を「ビーバップ」収録のため大阪まで往復。帰途はだ
いぶ雨足が強くなっていた。この間、傘がぶつかったというだけで殺
人未遂にまで発展したあの事件は、いつも帰途通りがかっている、中
之島西インター近くの場所だったらしい。
 深夜、風が強くなってきたので目が醒める。颱風が上陸したのでテ
レビが各地から報道している。レポーターが海岸に立って喋るのは危
険だからやめたらどうか。今に誰かが波にさらわれるか吹き飛ばされ
るかして、えらい事故になるぞ。
 実は今日、上京する予定だったのである。しかし颱風が来るという
ので明日に延期し、明日来宅の予定だった「文藝春秋」本誌の今泉君
にはメールして延期してもらった。本誌グラビア8ページの写真を撮
影する打合せだったのだが、9日は東京に最も近づく日とあって、今
泉君も困っていたようだ。
 一日、こちらの滞在が長引いたおかげで仕事がはかどった。朝日新
聞連載の「漂流」は横光利一「機械」を書き、飯沢匡「北京の幽霊」
の下調べをし、「アホの壁」の第二章「人はなぜアホなことをするの
か」を書き、テレビ東京「百人の日本人」で次にやる色川武大「百」
を読み返す。
 光子は東京の家が無事だったかどうかを工務店に問合せていた。颱
風は北へ。やれやれ。
ページ番号: 231 232

「次のページへ」や、「前のページへ」をクリックすると、ページがめくれます。