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偽文士日碌

十一月十三日(金):247-248

 森繁死す。久世ドラマで二回共演した。面白い人だった。
 もと文藝春秋のわが担当者・岡崎正隆が、教え子の女子大生三人を
つれてインタヴューに来宅。短篇小説について話を聞きたいというこ
とだったのだが、その話はほとんどせず、雑談に終始する。全員、わ
が「短篇小説講義」をすでに読んできているのだから、「短篇小説作
法などというものはない」というおれの結論もすでに承知、話すこと
が何もないのは当然である。ひとりは「恐怖」が好きだと言い、ひと
りは「原始人」が好きだと言っていたが、あまり評判のよくなかった
変なものばかりだ。それでもやはり、読んで感動してくれる人はどん
な作品にも存在するのだなあと思い、嬉しかった。
 一昨日の大江さんの手紙では、桜蔭学園という女子校へ講演に行っ
たところ、三十年前は大笑いに次ぐ大笑いだったのに、今回はまった
く笑わなかったので寒ざむとした気持で帰宅したと書いてあったが、
最近の子は落ち込んでいて、本当に笑わないのかと思い、おかしな話
をしたら結構笑ったので安心した。大江さんは偉くなり過ぎたのであ
る。笑えば失礼にあたると思っているのだ。
 その大江さんの「同時代ゲーム」を紹介した「百人の日本人」を見
る。案の定、大事なところをずいぶんカットしてしまっていた。明日
はまた大江さんにお詫びの手紙を書かねばなるまい。
 オバマ君が来日。鳩山君との共同記者会見の模様を見る。
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