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偽文士日碌

十一月二十四日(火):249-250

 日高敏隆死す。長いおつきあいだった。お嬢さんのレミさんとは、
伸輔との縁談じみた話もあった。奥さんのキキさんを通じて、家族で
レミさんの結婚について話している時、日高さんが「筒井伸輔なら、
よい」と言ったことを聞かされたこともある。山下洋輔の今年のニュ
ーイヤー・コンサートで、両方の家族が対面したのだが、それが最後
になってしまった。いい人だったなあ。
 全身が何かにかぶれて、痒くてしかたがない。いつも貰っている薬
がきかなくなったので、歩いて二分の原宿皮膚科へ行き、診察しても
らい、新しく別の薬を出してもらう。原因はわからない。最初は和服
の帯による接触皮膚炎だと思っていたのだが、腹から腰、胸から頚へ
と蔓延してきた。顔にまで拡がらないことを祈るばかりである。この
皮膚科の医院、歩いて二分というのがいい。この辺に住んでいる者の
特権だ。
 午後四時「文芸春秋」本誌の今泉君と、イケメンの若いカメラマン
山元君が来る。一月十日発売の本誌グラビア「日本の顔」に載る写真
を撮る。まず門前で、それから書斎で。以上は和服で、最後は洋服に
着替え、久しぶりで近くの「SMOKE」へ行き、撮影。そのあと取
材を受けてから夕食。ワイルド・ターキーの12年物を一本とり、鴨
のスモーク、エゾジカのステーキなど。途中で「週刊文春」の若手た
ちとも合流。バーボンは一本空いてしまった。帰宅は九時。
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