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偽文士日碌

六月八日(火):311-312

 文藝春秋の丹羽君が、可愛いカメラマンの女性同伴で来宅。「裏辞
典」のゲラ約半分、著者校のできたところまでを渡し、体裁について
打合せをする。出来合いの写真の提供を断ってきたので、何かと思っ
ていたら、とんでもない工夫があるのだった。なるほどカメラマンを
つれてきて新たに写真を撮らねばならなかったわけである。どんな仕
掛けかは本になった時に明らかとなるが、いろんな方角から撮影され
て疲れてしまった。あと、各見出しのイラストカットにも工夫を凝ら
し、「あ」なら「あ」のいずれかの項目をデザインして載せるのだと
言う。すでに出ている広告では千数百円と書かれていたが、とてもそ
れではおさまるまいと思って訊ねると、案の定二千五百円ほどになっ
てしまうという。「筒井康隆作家生活五十周年記念出版」と銘打つの
だし、辞典なのだからむしろそれくらいの値段の方がいいと丹羽君は
言うのだが。
「週刊ポスト」のわがインタヴューが掲載されている号の広告、昨日
に続き今日も朝日・読売の両方にでかでか載っているので驚く。大増
刷したらしい。二日続けて週刊誌の同じ広告を出すとは小学館、大し
たもんだ。売れとるのだなあ。それにしても大増刷の原因は何か。ま
さかわれわれのオピニオンのページではあるまい。「菅直人VS小沢
一郎」に違いない。小沢は国民からすっかり嫌われてしまったように
書かれているものの、マスコミは彼に感謝すべきだろう。
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