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偽文士日碌

六月十八日(金):317-318

 朝九時前、新さん夫婦が迎えに来てくれて、光子とベンツに同乗。
例によって姉妹は後部座席、おれは助手席である。神戸淡路鳴門道に
入り、明石海峡大橋を渡り淡路島を縦断、うず潮を見ながら大鳴門橋
を渡る。ここで高速をおりてしまい、国道55号線を行く。新さんが
海を見ながら走りたいと言っていたからだが、あいにく雨が降ってき
たのと、道路は滅多に海沿いを走らないため、最初のうちはちらちら
と海を拝める程度であった。
 藍問屋をしていた昔はわが親戚の多かった懐かしい阿波徳島を通過
し、小松島市、阿南市を通過、美波町の日和佐というところで昼食。
大浜海岸を見渡せるうみがめ荘の食堂で、ここには天皇ご夫妻も来ら
れたらしく写真が飾ってある。この海岸の砂浜は海亀の産卵地とやら
で、近くには海亀の泳ぐ水槽もあった。魚介類が主体の和定食などが
あり、朝食をとっていない新さんたちはこれを注文した。漁師丼とい
うメニューに食指が動いたものの、軽く朝食を食べてきているので天
ざる蕎麦にし、光子は若布うどん。
 道は山に入ったり海岸に出たりをくり返す。朝から降ったりやんだ
りの小雨が、次第に激しくなってきた。黒い海の白い波頭、突き出た
岩塊が物凄い。無謀にもサーフィンをやっている者の姿も見られた。
室戸阿南海岸国立公園というだけあって、やっと海岸沿いの道を走る
ことができたものの、防波用の塀が見晴しの邪魔をする。颱風情報で
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