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偽文士日碌

六月二十五日(金):325-326

 文壇パーティに行くのは久しぶりだ。三島賞受賞式とパーティはホ
テルオークラで開かれた。ロビーでホリプロの大健裕介と映画「七瀬
ふたたび」の件で話をしていたので式に遅れ、地下二階のホールに行
くとすでに東浩紀の挨拶は終っていた。
 パーティに移ると、なにしろ久しぶりだからいろんな人と目まぐる
しく挨拶を交わす。京極夏彦と今度の山田風太郎賞について話し、東
君と阿部和重の三人で何だかやたらに難しいことを話し、川端賞受賞
の高樹のぶ子にお祝を言い、久しぶりなので何やかやと話す。「相変
らずいい女だなあ」とも言うが彼女は怒らず。野谷文昭とドノソにつ
いて話し、その他多くの編集者と仕事のことを話す。ドナルド・キー
ン氏と挨拶を交わす。お話しするのは二度めである。奥様がわが愛読
者だと言うので久里洋二が話しかけてくる。八十二歳だそうで、実に
元気である。美しい名刺を戴く。
 銀座で東君の二次会があるというので大上朝美を誘い、平野啓一郎
と新潮社の矢野優のハイヤーに同乗し、会場に行くと川上弘美がやっ
てきたので、ここでまた東浩紀を加えて何やら難しいことを話す。東
君が酔っぱらってわけのわからぬ挨拶をしたので、気分直しに川上、
大上、新潮社の楠瀬啓之と共に、近くの「エル」へ行く。おれのボト
ルはまだ無事であった。ここで十二時ごろまで飲む。ずいぶん飲んだ
ものだ。ようやるわ。
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