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偽文士日碌

七月七日(水):335-336

 大相撲の野球賭博騒ぎが続く。テレビでは名古屋場所開催について
の是非を名古屋の人にインタヴューしているが、テレビ局の思い通り
のコメントをする人ばかりの画像に編集していることがあきらかなの
で腹が立つ。警察の捜査がまだ終っていない段階で解雇だの除名だの
勝手に決めて人の一生を左右する権利がどこにあるのか。
 文藝春秋の丹羽君が来宅。「現代語裏辞典」の最終チェック。さま
ざまな仕掛けを凝らしていて面白い。装丁と本文頁のデザインが関口
信介、飾り文字のイラストが阿部伸二(カレラ)。頁数が四百四十八
頁という大冊になる。四六版のニューハード函入りで定価が二千三百
円とはずいぶん安い。発売は今月末になる。仕掛けのひとつはたいへ
んわかりにくい。これは読者が発見して吃驚するまで何も言わない方
がいいだろう。
 昨夜見たのと同じ監督の別の映画を見る。この方があきらかに面白
いが、なにしろ三時間に及ぶ大作なので、見終ったら十二時になって
しまった。外国の賞も受賞しているようだが、やはりあちこちで乱暴
さが目立つのでやや心配である。
 伸輔の五十万円ほどの絵がまた一枚売れた。お買い上げ先は三菱重
工業のもと重役さんの自宅用である。
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