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偽文士日碌

八月二十一日(土):351-352

 五時半、「現代語裏辞典」の署名落款本三十冊を運びに来てくれた
文藝春秋の丹羽、山田両君と共に、光子同伴で近くのイタリア料理店
「ロカンダ」へ行く。今夜は「現代語裏辞典」の出版記念謝恩パーテ
ィである。協力してくれた朝日ネットのわが会議室の連中三十人ほど
を招いての祝宴だ。文藝春秋からは会長の上野徹が来てくれて、わが
「漫画読本」時代からのつきあいのことなども含め、最初に発言して
くれた。来てくれた人をすべて書き列ねることは略すが、プロの作家
三人(堀晃・北野勇作・上田早夕里)を含めてほぼ全員に挨拶しても
らう。いずれも錚々たる連中であり、こういう連中に支えられている
おれは実に幸せだ。夏はジャズの季節だから山下洋輔が多忙で、参加
してもらえなかったのはまことに残念。
 司会をしたのでほとんど何も食えず、薄いめに作ってもらったバー
ボンの水割りを五、六杯飲んだだけ。料理は旨く、特に最後に出たデ
ザートは好評だった。九時過ぎにお開きとしたが、連中はまだ喋り足
りなかったらしく、そのあと二十人ほどが原宿駅前の「牛角」へ行っ
て、看板まで話し込んでいたらしい。さすがに注文したのは枝豆と冷
奴とビールだけで、ホルモンを食べたのはひとりだけだったと言う。
 疲れたが、愉しいパーティだった。なんとなく責務を果したような
気分であり、ほっとした。茶漬けを食べ、ビールを飲み、就寝は十一
時。
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