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偽文士日碌

八月二十二日(日):353-354

 百歳以上の行方不明者が何百人も出ているらしい。死体を持ち歩い
たり放置したりして年金を貰うのは不埒であるが、行方がわからない
というだけならば年金を貰ってもいいのではないかという気がする。
子供が親を捨てた姥捨ての時代とは逆に、親が自分で出て行くという
のは、七十五歳の老人の立場から見ると、なかなか洒落ていて、いい
のじゃなかろうか。おれも九十歳とか百歳とかになって死期を悟った
ら、「捜すな」と言い置いて出て行き、行方不明になるのもひとつの
身の処し方であろう。「まあ、二年くらいなら年金を貰ってもよかろ
う」と書いておけばよろしい。 
 二時にワック出版の松本出版局長と編集の小森明子と、シュガー・
カンパニーの佐藤社長と山添美保が、「愛煙家通信」第二号のための
インタヴューにやってきた。何やかや話す中で前記の話題となったの
も、酒や煙草がストレス解消になるので、このままでは百歳まで長生
きしそうだと言ったからである。健康と喫煙には何の関係もないとい
うことがこれだけはっきり医学的に証明され、あちこちに書かれてい
るのに、それを見ぬふり、聞かぬふりをして未だに喫煙は健康に害が
あることを前提にして反喫煙を主張する馬鹿が多い。だからこちらは
喫煙と健康が無関係であることを前提にしていろいろと喋ったのであ
る。ヒステリックな反喫煙者が逆上しそうなことを思いっきり吐き出
したのですっきりした。
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