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偽文士日碌

九月十四日(火):367-368

 日本、中国。台湾が尖閣諸島をめぐって三つ巴の争い。面白い面白
い。いっそのこと尖閣諸島に米軍基地を作ってしまえばもっと面白く
なると思うがどうか。
 夕刻五時四十分に新潮新書のわが担当・阿部正孝がハイヤーで迎え
に来てくれる。今夜は「アホの壁」十万部突破の祝いなのである。す
ぐ近くの「青山・浅田」へ光子ともども出向くと、ビルの地下にある
店では和服、制服の女性十人余がずらり出迎えてくれて圧倒される。
部屋では石井昂、後藤裕二が待っている。ここは以前「銀齢の果て」
出版の時やはり石井氏に招かれた店である。おれはあいにくまたして
も皮膚炎が出たので酒が飲めず、皆が旨そうに美酒・白山を飲むのを
眺めるだけ。糖尿で飲めない筈だった石井氏までが飲めるようになっ
ていたので悔しい。
 料理は鮎づくしだ。鮎の煮物から始まって鮎の姿寿司、鮎の白味噌
仕立て、鮎の洗い、鮎の唐揚げ、鮎の汐焼き、鮎と野菜の炊合せ、鮎
とにがうるかの石焼き、土鍋炊きの鮎御飯と、まことに結構なもので
あった。女将が挨拶に来て、昔金沢の本店で一泊し、女将と若女将と
未来の女将である娘さんの三代が給仕してくれ、若女将が市場までつ
いてきてくれて土産の蟹を選んでくれたことなど、光子との間に話が
弾む。ここの女将はあの時の女将の孫、若女将は伯母さんであったの
だ。帰宅八時半。
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