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偽文士日碌

十月十日(日):377-378

 煙草が値上りしても、一昨日乗った新幹線の喫煙ルームにはお仲間
が次つぎに現れ、甚だ心強いことであった。あるいは買溜めした煙草
を盛大にふかしているのかもしれないが、だいたい百円くらいの値上
げで禁煙しようなどという者は少数派であり、これをきっかけに禁煙
しますなどという者が多数いるなどはテレビや新聞の意図的編集によ
るものであろう。そういえば新聞の社説では、まったくない筈の値上
りの経済効果その他は論じないで、なんたることか、ピント外れの喫
煙の害について書いていた。今まで煙草税の値上げという馬鹿な政策
に異論を唱えてこなかった新聞が、罪障意識によってけんめいに論点
をずらそうとしているかのようであり、面白かった。それにしても両
極端の異なる立場がある時は両方の意見を取り上げるというマスコミ
の良識はどこへ行ったのだろうな。ったくもう、嫌煙か値上げかどち
らかにしろ。
 テレビ東京の番組は装いを新たに「この日本人がスゴイらしい」と
タイトルを変えての、今日は最初の収録である。主に国連をやるとい
うので明石康さんを引っぱり出してきた。いささか硬派の番組になる
とはいえ、全員背広になっただけでメンバーはほとんど変らない。明
石さんはよく喋ってくれたものの、ほとんどカットされるのは気の毒
だ。二時間スペシャルの収録に四時間もかけちゃいけない。椅子が堅
いので尻が痛くなって困る。帰宅九時。 
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