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偽文士日碌

十月十四日(木):383-384

 昨夜遅く、文藝春秋の明円一郎から菊池寛賞受賞の電話があり、今
日詳細がFAXで送られてきた。わが受賞理由は「作家生活五十年、
常に実験的精神を持って、純文学、SF、エンターテインメントに独
自の世界を開拓してきた」というもの。他は俳句の金子兜太、NHK
スペシャル「無縁社会」、「はやぶさ」プロジェクトチーム、染色の
吉岡幸雄、「万葉みらい塾」の中西進である。
 五時、迎えのハイヤーで東京会館へ。谷崎賞の授賞式である。控室
で受賞者の阿部和重、中公文芸賞の江國香織と会い、選考委員の堀江
敏幸、桐野夏生、川上弘美と会う。会場の選考委員席では渡辺淳一と
林真理子の間に座らされる。中公文芸賞の選評を淳一さんがやる。今
年、谷崎賞の選評は堀江君がやってくれるので気が楽だ。阿部和重は
かっこいい。四十二歳なのに若く見えるので淳一さんが驚いていた。
受賞作が二作とも講談社だったから、講談社の人が多い。「群像」編
集長の松沢賢二とは初対面。明円一郎を始めとする文藝春秋の連中は
みな声をひそめて「おめでとうございます」と言う。菊池寛賞、まだ
マスコミには未発表なのである。矢野優と一緒に控室へ煙草を喫いに
行った時、エレベーター前で須田美音と遭遇。具合が悪い。JTの人
たちが「愛煙家通信」の礼を言いにくる。二次会、三次会で会ったそ
の他の人は楊逸、川上未映子、奥泉光、鹿島田真希、その他大勢。飲
み過ぎた。ふらふらになって帰宅一時半。ようやるわ。
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