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偽文士日碌

十二月三日(金):419-420

別室に設えられていることを、それを知らなかった当の文藝春秋の社
員が教えに来る。行ってみれば親族一統がちゃんと来ていたので安心
する。平山君は相内優香をつれてきていたので、この二人も家族席に
加える。そこへおれのスピーチを聞いていたペンクラブ会長の阿刀田
高がやってきて、やっと寄附した百万円の礼を言ってくれた。さらに
久しぶりに小林信彦がやってきて話し込む。文藝春秋の人たちの他、
堺屋太一などいろんな人が挨拶に来る。それでも招待した人の誰だれ
が来たのかは最後までわからなかったし、パーティ会場の方では「受
賞者がどこにもいない」と言っていたそうだ。
 明日に仕事を控えた歯科医の吉晃君が訓子さんと帰って行ったあと
受賞者だけの二次会があるとかで、別館一階のバー「ハイランダー」
へ移動するが、その途中、東野圭吾を見た彼の大ファンの光子が紹介
してくれとせがむので、ほとんど初対面に近いのに紹介する。バーに
は他の受賞グループ誰も来ていず、集ってきたのはわが親族と引退し
た昔馴染みも混えて過去現在の各社担当者のみ。懐かしやわがシュバ
リエ章受章記念パーティの司会をしてくれた元「文學界」編集長の雨
宮秀樹、その他大上朝美、須田美音などお馴染の面面が三十人ほど。
矢野優と伸輔が何やら熱く語りあい、読売新聞の鵜飼君や日経新聞の
浦田君とは新作について熱く語る。そのあと吉安、丹羽両君に伴われ
て六本木「中国飯店」に親族四人のみ移動。あまり食べられなかった
おれたちのためにご馳走してくれる。ハイヤーで帰宅十一時半。伸輔
と賀宣はわが家に泊る。皆でワイン、ビールなど飲み、就寝一時半。
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