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偽文士日碌

六月七日(火):471-472

 昨日から朝日ネットの正規軍がわがマックの本体を修理に持ち帰っ
ている。朝、報告があり、マックは壊れていず、何らかの理由で長篇
原稿が開かないだけと判明したようだ。開いてはみるが、改行やルビ
は修復できない可能性があると言う。まあいいか。保存していないの
は最後の十枚ほどなんだから。
 久しぶりに「新潮」の矢野優からメール。「新潮」「小説新潮」出
版部などの部門横断企画で、「ストーリイ・パワー」と言う書下ろし
の短篇小説アンソロジーを「小説新潮」別冊でやるというのである。
三月十一日以降の沈んだ空気を吹き飛ばすような物語の力に満ちた短
篇を読者に届けたいという企画だと言う。
 阪神淡路大震災の体験者として、おれにも白羽の矢が立った。
 もう短篇は書かないというわが宣言を承知しての依頼だったが、こ
れは短篇のアイディアが浮かばないというのではなく、何を書いても
過去の作品の焼き直しに思えるからの宣言だったので、そういう企画
であればと、承諾の返事を出した。マックが戻り次第、書きはじめる
ことにしよう。
 これも久しぶりにホリプロの連中がやってくる。担当者が変わるの
でその挨拶なのだが、新たな担当の宮本春紀は元サッカー選手という
大男。小学六年生の時、すでに百八十センチあったというから驚きで
ある。それにしてもホリプロ、よく担当の変わるプロダクションだ。
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