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偽文士日碌

七月十四日(木):479-480

 昨日のビーバップの収録ではゲストの清水義範に逢い、「国文学」
に執筆してくれたことへの礼を述べる。「国文学」にはシミズ・ヨシ
ノリが二人執筆してくれた。もうひとりは評論家の清水良典である。
 谷崎賞の候補作がどかっと送られてきた。今回は四作品だが、二段
組み上下巻というような大冊はなく、厚さも普通であり、安心する。
「小説に関する夢八夜」は、どうやら「夢九夜」になりそうである。
「九夜」ではおさまりが悪いので、「十夜」にならないかなといろい
ろ考える。
 山田憲和が「オール讀物」編集長になったのに、お祝い原稿を渡し
ていなかったことに気づく。「裏辞典」の連載終了時から短篇を乞わ
れていたのにそのままだったのである。「つばくろ会からまいりまし
た」という変な短篇を思いついたので、「オール」向きだと思い、書
きはじめた。十枚ほどの掌篇になるだろう。
 政府は煙草税の増税をやるらしい。被災地の復興資金に充てるのだ
と言う。被災地の人たち、特に避難所の人たちが煙草や酒を欲しがっ
ていて、しかも被災地の煙草栽培農家が困っているというのに何ごと
だ。煙草税の増税なら比較的反撥も少ないからだというが、怨嗟の声
は闇に沈潜している。提案した閣僚の名は知っている。ナガツマとい
う名と共に記憶し、いずれ復讐の機会が訪れた時には少しばかりきつ
く痛めつけることになろう。
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