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偽文士日碌

七月三十日(土):483-484

 一昨日上京したのだが、新幹線に乗っている間は小松左京の訃報を
まったく知らず、夜の八時過ぎ、原宿のわが家に着くとNHKの女性
記者が家の前で待っていたので驚く。ここで初めて小松さんの死を知
って大ショック。記者はわが家でコメントを取って帰ったものの、そ
れが今日NHKの「かぶん」(科学文化部の意味)というブログに出
ていて、そのいい加減さに驚く。改めてカメラでの取材をという申し
込みを断ったおれが悪いのでもあるのだが。
 と、いうわけで、以後取材申し込みが電話やメールで殺到。みんな
おれを捜しまわっていたらしい。結局はほとんど断り、朝日新聞のみ
三枚を執筆し、一日送稿、二日に掲載という慌ただしい段取りとなっ
た。「文學界」も依頼してきたが、こちらは近近、短篇を渡すからと
いうことで勘弁していただく。「オール讀物」には十枚の短篇「つば
くろ会からまいりました」を送り、これは十月号の掲載となる。
 午後四時、JFKの吉田ゆりかがスペインのジャーナリスト、ガビ
・マルティネスとカメラマンと日本人の女性通訳と共にやってきた。
ガビはフリー・ジャーナリストで、小説、旅行記など八冊の著書があ
る人。スペインから同行してきたカメラマンは、いずれ世界の作家の
写真集を出すのだと言う。スペインの文芸誌「Que Leer」とライフス
タイル誌「マリ・クレール」に掲載するためのインタヴュ-であり、
通訳を介していつもの倍の時間がかかり、疲れ果てる。
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