トップへ戻る

偽文士日碌

八月二日(火):485-486

 一時、朝日新聞の編集委員・鈴木繁と、女性記者・高重治香がカメ
ラマンと共に来宅。これは八月下旬から朝刊の文化面での連載インタ
ヴューである。鈴木氏のメールによれば、文化の力とは、想像力とは
何か、物語を紡ぐとはどういうことなのかを、過去・現在・未来を見
通すような、少し広い視野から考えてみようという趣旨だと言う。小
生の場合は「霊長類南へ」をとりあげて、さまざまに論じさせようと
いう意図であるようだ。
「霊長類南へ」は、何しろ四十五年前の作品である。SF第一世代の
ことから説き明かす必要があり、小松左京追悼に書いたことと同じこ
とを言わなければならなかったりする。しかしそれを言わないと話が
進まないので困ってしまう。約一時間のインタヴューで、ずいぶん疲
れた。もう歳なのである。すぐに疲れるのである。
 これは朝日新聞文化面夏企画の第一回目として八月二十二日の朝刊
の文化面に掲載される。小生のあと、永井豪ちゃんなど四、五人のイ
ンタヴューの月曜日週一連載となるそうだ。
「小説に関する夢」はどうやら「十一夜」に落ちつくこととなる。変
な数だがしかたがない。もう少し寝かせて読み返し、「文學界」へ送
ることにしよう。
「枕詞逆引辞典」がいよいよ明後日・四日から「笑犬楼大通り」に掲
載されることになった。どんな反響があるか、楽しみなことだ。
ページ番号: 485 486

「次のページへ」や、「前のページへ」をクリックすると、ページがめくれます。