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偽文士日碌

八月二十五日(木):489-490

 大江健三郎の手紙に返事を書き、投函。大江さんの手紙は先日の朝
日のインタヴュー記事についての感想であり、あの記事に触発された
筈の、「もう注意深くて才能ある若いジャーナリスト・文芸記者がプ
ランを持ち込んでいるはずですが」という指摘に驚く。さすがに慧眼
である。
 夕刻、中央公論新社の関雑誌編集局長が、日本葉巻協会の辻厚成会
長、青羽芳裕副会長をつれて来宅。辻さんは有名な陶芸家でもある。
この協会が設けている「ジャパン・シガー・アワード」では、シガー
を愛好し、社会に貢献している人物に賞を贈っていて、第一回目の受
賞者は麻生太郎だったが、二回目の受賞者はなんと、おれに決ったと
いうのだ。メンバーは日本パイプクラブ連盟常任理事の前記青羽氏や
日本輸入ワイン協会事務局長の遠藤誠氏、たばこと塩の博物館学芸部
長の半田昌之氏など錚錚たる人たちであり、この賞はありがたくお受
けすることにした。
 贈賞式は十月。昨年の第一回では小錦八十吉がハワイアンを歌った
らしい。光子もつれて行くことにしよう。
 辻さんのご父君は忠犬ハチ公の発見者であり銅像を作った人。昔話
や煙草談義で歓談。煙草の話はいつも楽しい。
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