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偽文士日碌

八月二十九日(月):491-492

「教授の戦利品」脱稿。二十六枚。またしばらく寝かせておくことに
する。
 中央公論新社のわが担当・角谷涼子、「婦人公論」の渡辺千裕、フ
リーライター内山靖子とカメラマンの四人が来宅。「婦人公論」の特
集「長寿の常識が変わった」の巻頭インタヴューである。モノクロ四
ページとやらで、最初門前で写真を撮られる。インタヴューは、「少
し不健康ぐらいの方が長生きする」という考えかたをもとに、新しい
長生きの常識を考えてみようという主旨のものであり、それならおれ
の得意とするテーマであるから、煙草と健康の関係について、粗食=
健康という常説を疑うことについて、友人が次つぎと死んでいくこと
についてなど、いろいろと喋る。なにしろ来月で喜寿を迎えるわけだ
から、もういい格好などする必要はなく、死ぬのは怖いなど、思って
いることを洗いざらいぶちまける。十月二十二日号で、発売は十月七
日。
 徳間文庫から、山田風太郎「人間臨終図巻」が全四巻の新装版で出
るので、その四巻目の解説をと頼んできた。四巻目はなんと「七十七
歳で死んだ人々」以降となる。これまたおれにぴったりなので引き受
ける。
 民主党総裁が野田佳彦に決った。海江田でなくてよかった。一時は
生きた心地がしなかったのであるが。
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