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偽文士日碌

一月一日(日):527-528

 朝九時、昨夜蕎麦を食べた宴会場でおせち朝食を食べる。混んでい
て、二十分ほど待たされた。壁際のテーブルには樽酒やシャンパンな
どが並んでいて、好きなだけ飲んでいいのだが、おれはまだ昨夜の酒
が残っていてとても飲めず。光子は樽酒を枡で一合飲む。
 雑煮やおせちが出る。盛り沢山である。雑煮はいただいたものの、
おせちはあまり食えず。寒空の下、外へ出てウエイターに写真を撮っ
てもらっている家族連れもいた。
 ぶらりと居留地のホテルを出る。ブランド店ばかりの大通りに人影
はまったくない。それでもセンター街に行くと、ちらほらと店が開い
ていて、大声で福袋を売っていた。開店している喫茶店はどこもかも
満員だ。
 ホテルで、ビールを飲みながらテレビを見る。識者ばかりが出て、
これからの日本をどうするかと大声で議論していた。そんなことをい
くらテレビで主張したってどうなるものでもあるまいに。これからど
うなるかはもうほとんどわかっているではないか。まあそれでも他の
番組よりは面白い。
 夕食はチャイニーズ・サラダと前菜の盛合せを六時に食べ、九時に
はおれがナシゴレンをとり、光子がきつねうどんとフルーツをとる。
光子はキャンティ・クラシコを注文して半分飲んでしまった。
 就寝十二時。
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