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偽文士日碌

二月一日(水):537-538

「大盗庶幾」を書き続けている。「三字熟語の奇」は「文學界」三月
七日発売の四月号掲載に決定だが、まだどんな割付けにするかいろい
ろ考えているようである。「横領」は「オール讀物」四月号が短篇小
説特集なので、そこへ載るらしい。これは三月二十二日発売。
 夜六時過ぎ、家を出て表参道を歩き、ホテル・フロラシオン青山へ
到着。またしても道を間違え、着いたのは七時前だった。SF作家ク
ラブのパーティなのである。田中光二の出版三百冊記念と、評論賞の
授賞式。すでに始まっていた。久しぶりにSF関係のいろいろな人と
再会するが、見知らぬ人が多い上、知っている人も様子が変ってしま
っていて誰だかわからない。逢った人は二次会で逢った人も含めて、
豊田有恒夫妻、谷甲州、永井豪、新井素子、堀晃、八代嘉美、瀬名秀
明、夢枕獏、山田正紀、巽孝之夫妻、田中光二、その他、その他。
 スピーチが始まり、最初に喋らされる。「同世代が死んでいき、気
がつけば長老。冗談ではないのだ。星新一は酒と睡眠薬を一緒にのむ
とヤバいことを教えてくれた。井上ひさしと小松左京は煙草を喫い過
ぎると命を縮めると教えてくれた。その教えを守ってはいない。第一
世代の生き残りと第二世代はもっと頑張ってくれ。長生きするだけで
もSFの役には立つ。もうこれ以上、誰も死なないように」
 皆で骨董通りの二次会の会場まで歩き、また飲み、喋り、十一時、
歩いて帰宅。ウイスキーと焼酎を飲み過ぎた。就寝一時。
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