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偽文士日碌

三月十七日(土):551-552

はチェコで出た「ヘル」などという猥褻な表紙のものもありますから
一部だけでよかった(笑)。まああの時栗田さんが声をかけてくださ
らなかったら、どんなことになっていたかと思います。その後栗田さ
んは引退され吉田ゆりかさんに引継がれましたが、イギリスのアンド
リュー・ドライバーさんという優秀な翻訳者を得たりして、翻訳に関
しては鎖国的なアメリカでも本が売れはじめました。何よりも嬉しか
ったのはスペイン語に翻訳された時で、私の好きなガルシア・マルケ
スやバルガス・リョサにも読んでもらえる可能性があると思って喜び
ました。あれ以来もちろん印税も増え、百万円、三百万円、一昨年な
どは五百万円を越えました(拍手)。まあ、村上春樹に比べたらたい
したことはないと思いますが(笑)。それもこれも、元はと言えば栗
田明子さんのお蔭で、栗田さんの方には足を向けて寝られません。栗
田さん、ありがとうございました。そしてご出版おめでとうございま
す。サンキュー」
 そのあとが乾杯で、すぐ歓談の時間となる。煙草を喫いたいのだが
館内はすべて禁煙で、傘をさして表へ出れば、などと言われ、帰るこ
とにする。近所の喫茶店で喫煙しようかとしたのだが、千疋屋のパー
ラーは禁煙、面倒になってタクシーに乗る。三時半帰宅。
 矢野君が送ってくれたキューブリック監督の「現金に体を張れ」を
見る。何度も見るがやはりフィルム・ノワールの傑作だと思う。その
あと「家族八景」第九話の完パケを見る。何じゃこれは。ついにお笑
いにしてしまった。 
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