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偽文士日碌

四月二十九日(日):557-558

 甥っ子の結婚式である。甥っ子とは松野吉晃の次男・裕旨である。
 十時半に家を出てタクシーで二国を走る。案の定、空いていた。
 ホテル・ラ・スイートに着く。松野家の親戚に久しぶりで逢う。
 結婚式は神父の変な日本語で行われ、面白かった。讃美歌を歌わさ
れる。知っている讃美歌だった。
 披露宴は八十人ほどの会場で、プロの女性司会者の自動的な言説で
進行する。新婦の尚子さんは医科大学時代の後輩で、裕旨は今や外科
医である。われわれ夫婦は新さん夫婦と同じテーブル。裕旨の上司で
あるお医者の先生たちの挨拶、その他。
 このホテルの料理が旨いのは何度か泊ってよく知っているが、今日
の料理は裕旨が厳選したものらしく、いずれも甚だ美味。瀬戸内海産
の海鮮サラダ・バルサミコヴィネガーが素晴らしい。同じく瀬戸内海
産の魚介類のスープ。キャビアの入った明石鯛のポアレ。オレンジの
グラニテ。和牛フィレのポアレ「ロッシーニ」ソーストリュフなど。
朝食を摂らずに来たので、すべて平らげる。といっても、終ったのは
四時半であり、そろそろ夕食の時刻なのだ。披露宴、次第に長くなる
傾向にある。
 帰宅五時半。テレビを見ながら焼酎とビールを飲む。癲癇と無免許
と居眠り。自動車事故の三大原因とされるものが、ここ数日ですべて
起った。
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