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偽文士日碌

二月十一日(月):631-632

 ここ数日は超多忙であった。といっても、もっと多忙な人はいくら
でもいようが。まず七日には内藤誠が「スタア」のフィルムを取りに
来た。DVDにするのである。久しぶりなので四方山話をする。八日
には東浩紀が河出書房新社の担当者と一緒に、「クォンタム・ファミ
リーズ」文庫版の解説を書いた礼に来た。いろんな話で二時間ばかり
盛りあがる。その間にも阿部和重「シンセミア」を読み続ける。実は
彼の「ピストルズ」の解説を頼まれたのだが、これはおれが谷崎賞に
推薦し受賞に到った作品だ。「ピストルズ」の評価は選評に書いてし
まっているが、解説を書くとなると読み返さねばならぬ。しかしこの
本、三部作の第二作だというので、では第一作も読もうかと思い、担
当者に頼んで「シンセミア」を送ってもらった。ところがこの本が文
庫本で四冊にもなる大長篇。苦労して読み続けているというわけ。
 九日には神戸に移動する。東京に届いていた確定申告用の支払調書
を持って帰り、以来光子と共に整理を続けているのである。神戸に帰
った時はだいたいANAクラウンプラザの日本料理「たん熊」か、鮨
の「菊水」で夕食をして帰るのだが、「菊水」がぶっ潰れて鮨が食え
なくなっていた。だが、ここをたん熊が買い取って鮨の店として再開
した。入りたかったものの、初めての店なので気後れし、たん熊に行
ったところ、基本たん熊の女将が新しい鮨の店に立っていると聞き、
安心した。次回はこの「尽」という新しい店で鮨を食べよう。
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