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偽文士日碌

三月十日(日):635-636

 ザ・キャピトルホテル東急・鳳凰の間で行われた結婚式は盛大だっ
た。新婦は高平哲郎のお嬢さんの未来さんで新郎は正木洋平君。媒酌
人は朝倉摂。四時過ぎに行くともはや控室は満員。大林宣彦と話して
いると山下洋輔が抱きついてくる。タモリ、山下、筒井が揃うのは何
年ぶりか。浅井慎平、野田秀樹、朝倉摂にも挨拶。おれは和田誠と平
野レミ夫妻の横の席で反対側は洋輔、その向こうは渡辺貞夫。向かい
が田辺昭知。他に有名人がずらり。挨拶はおれが二番手で小田島雄志
の次。他の出席者は斉藤晴彦、うつみ宮土理、竹下景子、滝大作、水
前寺清子、小松政夫、小堺一樹、坂田明、中村誠一、清水ミチコ、山
本晋也、柴田理恵、久本雅美、団しん也、毬谷友子、不破万作、林家
三平、喰始。この人たちが次つぎに立ち、スピーチをし芸をする。お
れのスピーチは短いめにこうだ。「結婚はなんといっても結婚前以上
に相手を愛しあうことであり、その愛は伴侶と一緒に寝ていてさえ、
横で寝ているその伴侶の夢をいつも見るというほどのものでなければ
なりません。そしてその愛は歳を重ねるにつれ深くなっていくべきで
す。わたしは今年七十九歳でかみさんは九歳年下ですが、結婚生活は
ずいぶん長いのに今でもかみさんをじろじろ見てしまいます。時どき
怒られます。『なにじろじろ見てるのよ』しかし私としては、自分が
先に死んだらこの子はどうやって生きていくのか、寂しいだろうなあ
可哀想だなあと思って見ているわけであり、これぐらいの思いやりは
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