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偽文士日碌

五月十二日(日):659-660

 高松中央で降りて市内をえんえんと走る。昨日ふなやの仲居に教わ
った讃岐うどんランキング何位かの四つ星の店に行くのである。やっ
と辿り着いた牟礼というところのうどん本陣山田屋本店はでかい建物
で、お遍路さんやら韓国人やらも混えた観光客でいっぱい。それでも
店内が広いのですぐに案内してくれて、注文したものがすぐに出てく
る。うどんなどというものはこうでなくてはならない。ぶっかけうど
んが名物なので、四人とも釜ぶっかけうどんというのを貰う。腰があ
り実に旨い。讃岐へ来た限りはこれを食べなくちゃ。喉越しがよく、
本来は喉につけてもいけないというぐらいだが、作法通りにすすり込
んだのはおれだけ。皆が半分も食べていないうちに完食。以前高知へ
行った時はSAの不味い讃岐うどんにしか巡り会えなかったのだ。
 だいぶ東へ来ていたらしく、カーナビが教えてくれたのは志度とい
う、高松中央からは三つ目のICだった。鳴門へ出て橋を渡り、淡路
島を縦断。最後のSAである淡路で休息し、ここで女性二人は玉葱が
らみの食品をいっぱい仕入れる。大きなSAなのに喫煙所がいちばん
端にひとつあるだけ。えんえんと歩かされ、しかも腰掛けるところが
ないという不親切さである。ふらふらになってもとの場所に戻ると、
皆がおれを心配して探しまわっていたらしい。
 橋を渡って垂水に着いたのが午後四時、新さんたちと別れる。新さ
んは高速が混み始めるので慌てていた。おれはひと眠りする。夕食は
喜美子さんが持ってきてくれた鰆の味噌漬けと、今日買ってきた玉葱
や竹輪。十一時就寝。またしてもぐっすりである。
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