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偽文士日碌

七月十三日(土):677-678

 小國英雄シナリオ集刊行会の大橋祥司からまた手紙。断ったのに、
小國についての一文をどうしても欲しいというのである。小國未亡人
も待っているということなので、もう、書かなければしかたがない。
第一集は貰っていて、原稿は第二集のためである。小國脚本のリスト
を見て、おれの見た作品を初期のものだけリストにする。それでもず
いぶんたくさんあったので驚く。
 新さん夫婦が珍しく上京してきた。昼間は光子が案内してあちこち
へ行き、夜は四人で銀座へ。新築の歌舞伎座を眺めてから、予約して
おいた「みかわや」へ。これも前もって注文しておかなければ食べら
れないという海老フライがこの店一番のお勧めであり、新さんの注文
でもある。シャンパンで乾杯。あとはおれがハイボールで光子はワイ
ン、新さんはビール。五品のオードブルのあと、いよいよ海老フライ
だが、その車海老の大きさに驚いた。しかも中身が頭まで詰っている
のだ。海老フライだけで大丈夫かと心配していたのだが、全員満腹。
 みかわやを出て、銀座をぶらつく。裏通りの靴屋に入り、姉妹は一
足ずつ小洒落た靴を買う。タクシーでわが家に戻り、和室でまたビー
ルを飲む。喜美子さんは今までわが家にちょいと立寄るだけだったか
ら、光子が案内してまわる。おれは新さんとベンツの買い替えの相談
などをする。新さんたちは十一時にホテルへ帰る。夫妻は明日、江ノ
島へ行くのだそうだ。
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