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偽文士日碌

七月十九日(金):681-682

 谷崎賞の候補作が六冊、どかっと送られてくる。五作品で、ひとつ
は上下巻二段組。例によって候補の名は書けない。さっそく上下巻の
大長篇から読みはじめる。「群像」からは連載「創作の極意と掟」の
ゲラが画像で届く。あいかわらず詳細緻密な校正ぶりだ。 
 昨日は集英社インターナショナル「kotoba」の編集者・福田
香代子がライターの田中茂朗とカメラマンを伴って来宅。「聖痕」に
ついてのインタヴューである。季刊誌だから「秋号」に掲載される。
ずいぶん遅いからその頃はもう書店にないんじゃないか。
 今日は一時半に角川の郡司珠子が迎えに来て山の上ホテルへ。「日
碌」の合同インタヴューなので、本の表紙が唐桟だったから唐桟の和
服を着て出席。ムードのある本館に取ってあった会議室は隣室が開高
健賞の選考会で喧しいからと、殺風景な別館に変更。日本経済新聞社
からは文化部の柏崎海一郎、「サンデー毎日」からライターの河上進、
「毎日が発見」誌のライター丸山佳子とデスクの野元一哉、角川から
は郡司さんの子分の榊原大佑、その他カメラマンや助手たち。「聖痕」
のインタヴューと違って肩ひじ張らずに喋ることができ、面白かった。
なんだか四方山話に終始したような記憶がある。帰途、部屋を変更し
て悪かったと山の上ホテルが部屋代を無料にしてくれたことを郡司さ
んから聞かされる。
 四時過ぎに帰宅。和服を洋服に着替えて休む間もなく文藝春秋・文
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