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偽文士日碌

九月九日(月):691-692

 一昨日と昨日は神宮前裏原宿のこのあたり隠田神社の祭礼だった。
子供神輿が通り、大人神輿の小さいのと大きいのが通り、昨日などは
東京オリンピック開催が決定したからなのか、景気よく小雨の中を何
度も通って賑やかなことであった。すぐ近くに新たなスタジアムもで
きるらしい。何。七年後だって。おれはその頃生きてるのか。
 山下洋輔が入院した。肝機能障害だという。やっぱり飲み過ぎだっ
たのだ。酒量はおれとさほど変らぬ筈だが、飲みながらほとんど食べ
ないというのがよくない。二ケ月も入るというから心配だ。病院でピ
アノをがんがん弾くことは許されまいし、どうかピアノの勘機能障害
にだけはならないでほしいものである。
 六時、嶋田哲也が迎えに来て、銀座六丁目の鉄板焼「紫野」に。煙
草の喫える個室で有難い。ほどなく「群像」の佐藤編集長と須田美音
がくる。須田さんは出版部へ移動し、入れ違いに嶋田君が「群像」の
わが担当者となったのだ。連載「創作の極意と掟」が終ったので今夜
はその打上げ。須田さんは連載と単行本を共に担当してくれることに
なる。ビールで乾杯。そのあとおれはバーボン。皆さんそれぞれサワ
ーやワイン。早速単行本の打合せをする。佐藤さんからは特集のため
の短篇を再度依頼され、他の執筆メンバーを聞かされて書くことに決
め、嶋田君に資料を依頼する。烏賊、鮑、肉という定番のコース。全
員がタクシーに同乗して送ってくれ、賑やかに十時半帰宅。
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