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偽文士日碌

九月二十一日(土):695-696

 前から依頼されていた「群像」の「特集 名探偵登場」をそろそろ
書かなければならなくなり、読み続けてきた「海野十三全集」をいっ
たん打ち切り、「科学探偵帆村」を書き始める。ずっと書き続けてき
た「ペニスに命中」はいったん中断。
 ついに運転免許を取得した伸輔が、とうとうVOLVOを買うこと
にしたらしい。高額の車だが、息子たちの生命が大事だから、車体の
頑丈なマシンに越したことはない。いつか乗せてくれるのだろうか。
いささか物騒な気もするのだが、ものの扱いについての伸輔への信頼
度はおれの中で極めて高いのだ。
 テアトロ・クチーナが「イタリアンとワイングラスで飲む日本酒を
楽しむ会」というのをやっているので、夫婦で出かける。いつもバー
ボンやライや焼酎ばかりを飲んでいるので、今夜はおれも日本酒を飲
むことにする。メニューは決まっていて、最初が明石の一本釣り太刀
魚のカルパッチョ唐墨パウダー添え青蜜柑ドレッシング、次がカナダ
産松茸と鱧のイン・ブロード、手打ちパスタが塩麹マリネした新さん
まと秋茄子のトマトソース、次いでポルチーニ茸のリゾットで、これ
には酒粕の旨味がついている。ここまで食べてもう腹一杯になり、夫
婦とも、最後のマンガリッツァポークのソテーのみ、テイクアウトに
して貰う。光子は日本酒だとワインよりも酔うようで、小鼓を二杯し
か飲めなかった。おれは小鼓三杯にビール一杯。
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