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偽文士日碌

一月三日(金):723-724

 大晦日から神戸オリエンタルホテルで夫婦だけの正月を迎える。
 三十一日の夜はダイニングルームでイタリア料理を食べ、夜九時に
なって四階のバンブー・ルームで年越し蕎麦を食べる。大晦日だとい
うのにお馴染みの女性二人のマッサージが来てくれた。久しぶりだ。
 一日。ダイニングルームでおせち料理を食べる。たいへん豪華なお
せち料理で、イクラご飯と刺身と雑煮がついていた。腹ごなしにそご
うまで歩き、ヘアリキッドなど化粧品を買う。まださほどの人出では
ない。旧居留地あたり、歩いているのはおれたちだけだ。
 夜はまたダイニングのイタリア料理。満杯で予約できなかったのだ
が、ひと組キャンセルが出ておれたちの席をとってくれたのである。
スタッフはみな親切だ。部屋でドミンゴを見ようとしたが、WOWO
Wは入らなかった。しかたなく歌舞伎を見る。
 二日は部屋で朝食。朝から大丸へ行く人の列を窓から見る。大丸は
今日が初日なのだ。おれたちも出かける。福袋を両手にいっぱい持っ
た人が多い。二、三買い物をして、帰途、ホテルの隣のバニーズ・ニ
ューヨークで光子は伸輔の上着を買う。夜はホテル内の寿司「神戸(かんべ)」
へ。板前や同席の人たちと和やかに話しながら次つぎに出てくる寿司
を食べる。これは食べないと次が出てこないので、つい食べ過ぎてし
まった。またしても部屋のテレビで歌舞伎を見る。
 三日。食べ過ぎたためか大量の鼻血。朝食を抜いて帰宅。
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