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偽文士日碌

一月十日(金):729-730

 昨日は神宮前耳鼻科で咽喉を診てもらい、炎症を起しているとかで
抗生物質を貰ったが、どうもはかばかしくない。酒は控えたのだが。
 今日は原宿皮膚科へ行き、塗り薬を貰ってくる。先生はもう八十八
歳で大腸癌を患い心臓も悪く。奥さんは七十六歳で去年は肝臓で二か
月入院し、多くの病気をかかえこんで先週は一日二か所の病院を三日
かけて回ったそうだ。「助け合って生きております」とのこと。
 夕刻、隣にできた飴屋の若夫婦が挨拶に来る。妻によればどちらも
美形だという。貰った飴をひとつ食べたがなかなか旨い。
 夜、夫婦でオペラシティに向う。山下洋輔プロデュースの「ジャズ
のもう一つの夜明け」なのだ。玉木正之夫妻と隣同士の席だ。相倉久
人、茂木大輔、横山正治とも挨拶。会議室の連中とも久しぶりだ。演
奏は、心配していたのだがまったく不安なしで、ある部分パワーは以
前以上だった。若いジャズマンたちとの共演、彼の後を継ぐというピ
アニストの登場、彼の自慢のタネ挟間美帆の活躍、そしてやはり原点
に戻ってのジャズは最高である。これが最後のニューイヤー・コンサ
ートだと言うが悔いはあるまい。それにしても名残惜しいことだ。お
れも二度ほど参加させてもらったコンサートなのだから。
 終演後、楽屋に行って立ち話。元気で陽気ないつもの洋輔。そのあ
とパーティがあったのだが、ここはXUXUの三人と少し話しただけ
で、体調不良を理由に早いめの失礼をさせてもらう。帰宅十一時。
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