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偽文士日碌

四月十八日(金):759-760

 岩崎紀辰氏が死去。息子の嫁智子さんの尊父である。朝、亡くなっ
ていたそうだ。腎臓が悪く、透析をされていたらしい。享年七十三。
まだ若かったのに。
 昨夜の上京で久しぶりにニューオータニ「藍泉」に立寄る。いつも
のバーテンは独立したいとやらで不在。オーナー直じきのサービスで
あった。ターキーのライを飲む。光子は赤ワイン二種を賞味。
 ガルシア・マルケス永眠。世界から賑やかさがひとつ失われ、物語
文学の名手がひとり失われた。日本の焼酎「百年の孤独」にも名を残
す。それだけ日本人にも愛されていたということか。
 三時、「婦人公論」の川口由貴とライターの島崎今日子が来宅。間
違えて勝手口から訪れたのはアンドリュー・ドライバーに続いてふた
組めである。白石加代子の百物語がいよいよ世田谷のパブリックシア
ターでラストステージの三十二夜を迎えるというのでそのコメント取
材である。ふたりで朗読劇をやったこと、北海道まで巡演の旅はどち
らも夫婦づれだったこと、おれの短篇をいちばんたくさん上演してく
れたことなど、いろいろと話す。あの旅がなければ実生活ではきちん
と自己管理のできる女優さんであったことなど、わからなかっただろ
う。いかに猥褻なシーンでも彼女が演れば品格が生まれた。
 まだ大量に「森伊蔵」が残っていたので大喜び。TPP、韓国観光
船の転覆、ウクライナ情勢などのニュースを見ながら飲む。
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