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偽文士日碌

九月二十五日(木):799-800

美音(文芸ピース出版部)、角川書店が吉良浩一(副BC長兼第一編
集局長)、山田剛史(「野性時代」編集長)、郡司珠子(角川書店第
一編集局第一編集部長)という、いつも世話になっている錚錚たるメ
ンバーだ。他社の編集者で招くべき人も多いのだが、今回は田中さん
が音頭取りなので「繁栄の昭和」がらみの人だけを招いたのである。
シャンパンで乾杯。こんな豪勢な祝いをしてくれることにまず感謝を
述べ、ロンドンからメールをくれたアンドリュー・ドライバーの祝い
のことばなどを紹介する。記念品としておれは最高級のステッキ、光
子は美しい花束を頂戴する。ステッキは「スタア」の時の犬神博士の
持ち道具だったからであり、またエッセイではこれで不埒な青少年を
叩きのめすということを書いたかららしい。いい武器ができたが、ま
だステッキを持ち歩くほど老いぼれてはいないので、しばらくは傘立
てにお預けとなろう。こちらからは食後に、内祝の箸と、評判のいい
いつもの飴を全員に配る。酒はビールと紹興酒。われわれ夫婦も紹興
酒。食事は鱶鰭の姿煮や北京ダックなどお馴染みのフルコースで、お
れは蟹の炒飯を残して完食ならずだが、他は全員完食。これだけのメ
ンバーだから話題に事欠くことはない。よく笑い、よく喋る。八十歳
にもなってこれだけ周囲に恵まれた作家はまず、いるまいね。
 九時にお開きとなり、帰りは丹羽君がタクシーで送ってくれる。十
時帰宅。ビールを飲み、十二時就寝。
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