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偽文士日碌

一月二十一日(水):845-846

 去年の暮から原宿のわが家の近辺でフジテレビがドラマのロケをや
っている。十五日の木曜日二十二時がスタートだというので、「問題
のあるレストラン」というその連続ドラマを早速見た。近所の三階建
てのビルの屋上にセットを組んでいて、わが家がしばしば画面に出て
くる。ドラマはなんだかニューロチックな話である。
 平井和正、死去。なんてことだ。おれより四歳若かった。昔は豊田
有恒と三人、揃いの赤いシャツを着てボーリングによく行ったりした
もんで、SFの若手三人組などと言われ、伊藤典夫などは「あの三つ
子が」などと言っていた。またしても妻と彼の思い出に耽る。
 迎えが来てビーバップへ。楽屋で陳舜臣の死去を知る。九十歳。老
衰だったらしい。収録後、たむけんの店で新年宴会。焼肉をたらふく
食い、冷麺を平らげる。皆、おれの食欲に驚嘆している。矢澤、増山
両氏と又吉直樹について話す。モモコさんは深夜から和服でのロケが
あるとやらで日本髪風に髪をまとめていてはなはだ色っぽい。例によ
って帰り際、挨拶させられる。「昨年リンゴさんがパリから帰れなく
なった時、深夜たむけんに電話があって、たむけんは筒井先生が死ん
だと思ったらしいが、これはいずれ必ずあることだ。今日も陳さんが
亡くなった。生きた心地がしないが、その時はよろしく」
 帰途、車の中から風邪気味となるが、十二時、薬を服んで寝る。
 それにしてもイスラム国は馬鹿だ。日本を敵に回しちまった。
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