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偽文士日碌

二月二十三日(月):855-856

 昨日妻と上京し、夕食は久しぶりにニューオータニ「伊勢廣」で焼
鳥。美味であり、安価。帰宅後郵便物の整理。
 夕刻より帝国ホテルへ。読売文学賞の贈賞式とパーティ。喫煙ルー
ムで選考委員の松浦寿輝を見かけ、初対面ながら声をかける。NHK
ラジオの彼の番組への出演依頼に応じられなかったことを彼がしきり
に残念がるので、次の機会には是非ともと約束する。こちらからは彼
の「新潮」連載中の「名誉と恍惚」を毎号愛読していることなどを話
す。贈賞式は会場のうしろの椅子に黒井千次と並んで掛けたまま受賞
者の川上弘美、星野智幸たちの挨拶を聞く。評伝で受賞した英文学者
の挨拶がやたらに長く、また喫煙ルームへ行く。パーティとなり、黒
千と共に弘美ちゃんにお祝いをのべたあと、前の方の席に掛けている
とお馴染の編集者たちが次つぎにやってきて歓談。矢野優、楠瀬啓之
とは短編集「世界はゴ冗談」について打合せ。なんと早くも四月には
刊行するという話になる。星野君が挨拶にやってきて歓談。受賞作の
「夜は終わらない」という滅茶苦茶な話が書けたのはおれのお蔭だと
いう過大なお言葉である。珍しや荻野アンナに逢い、またしてもブラ
ックな話をする。その他いろんな人とちらりちらり歓談。御歳九十歳
を越すドナルド・キーンには帰途、ロッカー前で挨拶。  
 又吉直樹の「火花」が好評で「文學界」が売れに売れ、ご機嫌の武
藤編集長に案内され、弘美ちゃんの二次会へ。かねまつビル七階にあ
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