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偽文士日碌

六月十二日(金):877-878

 一昨日はビーバップに出演。昨日は上京。
 今日は昼過ぎから国際タクシーを呼んで東京地裁へ行く。
 長篇を百五十枚ほど書いたものの、いよいよ法廷場面となって、裁
判のことがよくわからず、しかたなく取材に出かけたのである。大上
朝美に訊ねたものの、彼女も裁判所のことはよく知らないらしい。地
裁は巨大すぎて戸惑ってしまう。傍聴しようと思っていた百三号大法
廷は、安倍首相靖国参拝違憲確認請求事件をやっていて満員、もはや
入れない。しかたがないから傍聴券なしでも入れる法廷をいくつか見
てまわる。裁判官の声はいずれも聞き取りにくい。裁判長もなんだか
ぼそぼそとした声で小さく、特に女の裁判長がよくない。老人の弁護
士も声が小さくて聞こえず、だいたいにおいて滑舌が悪く、自分にだ
けわかっているような早口である。証人が来なかったり、検察官が十
分も遅れてきたり、どうもいい加減だ。わからないことを聞きに総務
課へ行く。いろいろと訊ねたものの、肝心の判決のことを聞き忘れて
しまった。裁判直後に判決を出す場合もあり、何日かのちに改めて判
決を出す場合もあるようだが、これがどう違うのかよくわからん。
 三時間以上煙草を喫わなかったことは滅多にないが、帰りがけに受
付で訊ねると、なんとすぐ横にあった。裁判官なんて、煙草を喫わず
にはいられないだろうなとつくづく思う。女性二人が被告の裁判は面
白かったが、モンゴル語の通訳つき。途中で退席し、帰宅五時。
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