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偽文士日碌

九月二十六日(土):901-902

 午後三時、「駝鳥」を作ってくれた糸遊舎の代表三浦修二と、担当
の黒川都と、取材の毎日新聞社・明珍美紀と、日本画家・福井江太郎
がやってくる。福井君は多摩美時代に武蔵美と合同で上演した「ハム
レット」の演出をやり、その頃からの伸輔の友人だったらしい。よく
一緒に飲んでいた友人の父親と本を作るなんて思ってもいなかったと
福井君。また糸遊舎というのは乃村工藝社の子会社だということで、
みんなつながりがあるんだなあと感嘆する。
 明珍さんは、なぜ駝鳥なのか、なぜこんなストーリイにしたのか、
福井君の駝鳥の絵を見てどう思うかなど、答えにくい質問ばかりする
ので困ってしまう。この物語は最初からひとかたまりの着想として出
てきたものであり、すべては物語原型の通りであり、一種の神話素と
も言え、絵本になったことによって完全に神話化されたのではないか
と言っておく。福井君もまた、ずっと駝鳥の絵ばかり描き続けてきた
人なので、もうこの駝鳥は自分にとって駝鳥ではないなどと言う。面
白かった。この記事は毎日新聞夕刊に載るらしいが掲載日はわからな
いそうだ。
 福井君は駝鳥の画集と花の画集をくれる。おれが花の絵を見て大声
で「おおこれは駝鳥になりかかっている花だ」と言うと、福井君は大
喜びし、おれがそう言ったことをあちこちで紹介するとやら。
 光子が隣で買ってきた手拭いをみやげに、皆さんは四時にお帰り。
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