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偽文士日碌

十一月二十七日(金):915-916

 文庫版「聖痕」が百十冊届き、十冊は著者用、あとの百冊の署名落
款にとりかかる。ゲンロンカフェで売るためである。
 四時半、郡司珠子の迎えで帝国ホテルへ。山田風太郎賞の授賞式な
のであるが、なんと受賞者の佐藤正午は体調を崩して出席できないと
のこと。なんてことだ。一昨日ビーバップの収録をして、ほんとは一
日休みたかったのに、無理に昨日上京したのだ。急いで上京の支度を
したものだから、光子は疲れて眼を真っ赤にしてしまっている。
 控室へ行き、顔見知りの誰それと話す。歴彦会長にカドカワの新社
長川上量生に紹介される。今回は横溝正史賞の受賞者もなしである。
ホラー小説の大賞、優秀賞、読者賞の三人が次つぎと挨拶に来る。全
員がぞろぞろと贈賞式の会場へ。風太郎賞の選考経過を京極夏彦がや
り、ホラー小説の大賞その他の選考経過を綾辻行人がやる。佐藤正午
の受賞のことばは小学館の担当者が代読。例の如く式が終ってまた全
員がぞろぞろとパーティ会場へ移動。おれは例によって選考委員席に
ずっと座ったままだったが、いろんな人が挨拶にやってきた。久しぶ
りに森村誠一もやってきた。例によってまた写真を一緒に撮る。郡司
珠子がずっとついていてくれたのだが、これはずいぶん助かった。ま
た彼女に送られて帰宅は九時頃。
 帰ると「モナドの領域」の見本が送られてきていた。伸輔の絵は表
紙に艶がかかり、ぐっと官能的になっている。
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