トップへ戻る

偽文士日碌

六月十四日(火):957-958

 書斎の窓から見える隣の空地に紫色の朝顔が満開だ。この空地、な
んとかならぬものか。水溜りはできるし、蚊の発生が怖いし、ここに
マンションでも建てられたら書斎から何も見えなくなってえらいこと
だ。誰か、知っている人に買ってもらいたいもんだ。
 それにしても舛添都知事のこの騒ぎは何だろうね。日本国中やめろ
やめろの大合唱。ひとりとして異論は許されない。なんだか大戦前夜
を思い出したなあ。この騒ぎでほっとしているのは甘利さんくらいの
ものか。
「伯爵夫人」の書評を書き、送稿したら、さいわい好評なのでほっと
する。久しぶりに三島賞の受賞パーティへ行くつもりだが、蓮實重彦
がなんと言うか、楽しみなことだ。
 しかるに次は新評論という社から、フェルナンド・イワサキ・カウ
ティの「ペルーの異端審問」の巻頭言を求められてしまい、この著者
はわが著書「パプリカ」がスペイン語で出版された時にベタ褒めして
くれた人なので、書かぬわけにはいかない。メモをとりながら精読し
続ける毎日だったが、やっと先が見えてきた。この本は七月の末に発
行される。
 毎日のように何やかやと書類が送られてきて、雑用が山積だ。なん
でこんなに雑用が増えたのだろう。署名落款本もまだかまだかの催促
で頭が痛い。
ページ番号: 957 958

「次のページへ」や、「前のページへ」をクリックすると、ページがめくれます。